裁判官の訴追手続きでは、ある国民が書面で裁判官罷免の訴追の求めを出すと、裁判官訴追委員会が請求内容について審議を行います。そして、出席した訴追委員の3分の2以上の者が、訴追が必要であると判断した場合、訴追委員会は訴追状を作成して弾劾裁判所に提出します。弾劾裁判所は罷免の訴追状を受理した後、ただちに公判手続を開始します。なお、訴追の対象となった裁判官は、弾劾裁判所に訴追された時点で、裁判が終了するまで自分から裁判官を辞めることができなくなるほか、弾劾裁判所から職務執行の停止措置がとられることがあります。
弾劾裁判の裁判官は、訴追委員とは異なる国会議員がつとめることになっており、衆議院と参議院から7名ずつ選ばれます。公判を行うには、両院から少なくとも5名の裁判官の出席が必要です。公判は、訴追された裁判官とその弁護人、訴追委員長、裁判官の出席のもとで、公開の法廷で行われます。弾劾裁判の審理は刑事裁判の審理に則った形で行われますが、判決は裁判員の評議によって決定されます。評議では採決が行われ、審理に関わった裁判官の3分の2が罷免に賛成した場合に、裁判長は罷免の判決を出します。罷免の判決が出た裁判官はその瞬間に身分を失います。
裁判官を罷免させるには、訴追委員会と弾劾裁判所の両方で出席した構成員の3分の2以上の賛成が必要であり、非常に高いハードルであるといえます。gf1940124373m